「先延ばし」という蟻地獄からの脱出法
ついついやらなければいけない事、わかっているのに先延ばししてしまうことありませんか?
これって、自分の悪い癖、さぼり性だからでしょうか。
Quartz at Workの記事によると、先延ばしの欲求は、脳の「闘争・逃走反応」が関係しているという記事を読みました。
ここで書かれていたのは、「具体的には、不安が邪魔をして、自分にとって優先順位が高い重要なプロジェクトを終わらせることができなくなってしまう。つまり、先延ばしは「逃走反応」に当たる」というものでした。
なぜこの話を書いているかというと、先延ばし癖がいささか自分でも困った癖の一つだと思っているからです。
何せ、エンジンがかかるのが遅い!小さいころからなんです。
例えば、夏休みの宿題計画。まずは、どれだけの量で何からやるのか?とか書き出して、
計画プランを時間かけてつくって、
さて、今日はこれとこれをやらなきゃと机につくものの、
鉛筆が~とか
ノートを区分けして~とか
ふとした拍子に違うことが気になりだして辞書を引っ張り出したり、
朝顔に水やってなかった・・・とか、
直接関係ないことばかりから手を付ける。
やり始めても、計画とは違う科目が頭をよぎりあちらの方が簡単だかあっちから片付けようとか・・・。
結局、やらなきゃと頭では決めていてもどんどん先延ばししてしまう( ;∀;)
だから、毎年一番量があって難しい科目だけが29日30日31日と山のように積みあがっていました(笑)
でも、大事なことを先延ばししてしまう行為は、実はさぼり性ではないという説があったんです。
その為には、自分の先延ばしが怠慢やさぼり性ではなくて「不安という心理的なものからきたもの」か、どうかを判断する必要があります。
第一段:先延ばししたことを認識してみる.
例えば、「今日は、冬物のコタツ掛けを洗うと決めていたけどあまりに天気がいいから家にいるのがもったいない。そうだ!天気が続くらしいから、洗濯はやめて散歩に行こう。なんて、気持ちがよくて楽しいのだろう。」
この時の先延ばしは不安からではありません。
心理学者のAndrew Rosen氏は、自分の行動の正当化に時間をかけているようなときや、やらねばならないことを無意味だと決めつけているような場合、その根底には不安があると述べています。
人は、嫌な気持ちを避ける方法を見つけることに関しては、驚くほどクリエイティブ。
先延ばし(明日やろう)、気晴らし(Twitter見てから)、自己破壊(こんなの意味ないし)など、あらゆる手段を思いつくと言っています。
“あぁ~耳が痛い…。”
自己破壊(こんなの意味ないし)は特に、夢をあきらめるための極端に合理的な理由となり、その実は恐怖による影響を受けていることを理解できてないと言っています。
頭の中で先延ばしに時間を費やしているようなときや、やらねばならないことを無意味だと決めつけているようなときは、それをやらない決断に自分自身が本当は納得できていないのかもしれません。
第二段:先延ばした言い訳の正当性を確かめてみる.
できない理由を頭の中でいくつもリストアップしているくらいなら、それらの言い訳の正当性を試す新しいリストに作り替えてみる。
つい、自分のためになる行為を避け、「言い訳」をしながら楽な道を選んでしまいがちです。たとえば、「よく働いたから●●はしなくていいや」「疲れたから今日は△は進められない」という感じです。
そんなときは、優先順位の高い行為をしない理由をすべて書き出して、リストにしてみてください。その後、ひとつひとつの理由について、本当に?と問うのです。
これが、自分がとっている行動(別名「先送りという責任逃れ」)に正面から向き合うための、優しい方法です。それだけで目が覚め、やるべきことに取り掛かれるようになるかもしれません。
第三段:自分の気持ちを確かめてみる.
根っこは、不安を感じている原因にあります。
頭では、優先順位が高いことも自分の将来のためにも必要なことだとも理解しているのにそこに取り掛からずに回避しているとき、心の奥底では深い何かが進行しているのです。
何かを成すためには、引き換える何かがつきものです。
リスクやプレッシャーを背負い込み、自由は奪われるかもしれません。
失敗したらどうしよう。
笑われるかもしれない。
評価されないかもしれない。
こころの底にあるこれらの心配を無視していると、あとで手痛いしっぺ返しに遭うかもしれません。
「迷いや恐怖を抑え込んでどんなに肯定的な気持ちだけを信じていても、いつかそれらが顔を出します。そして、ドアをノックすることがあります。」
そこには、もっと大きな「失敗の恐怖」が存在します。と、心理学者のLeslie Connorさんは言っています。
恐怖や不安の存在を認めることが、先延ばしのサイクルを壊すきっかけになる人もいるはずです。
まずは、自分の中にある本音に気づく、自分の気持ちに正直になることが大切です。
先延ばしは、多くの人がやりがちな悪い癖であり、やめるのが難しいのには理由があります。
それは、脳のつくりに関係しています。
先延ばしをしたくなる理由のひとつは、文字通り気分がよくなるからです。
嫌な仕事や作業を先延ばししようと決めると、ひとつは自己管理を制御する脳の領域である、前頭前野の活動がゆるみます。
もう一つは快楽中枢である脳の辺縁系の活動にかかわっています。
辺縁系はもっと楽しいことをする方がいいよと言い、その声に耳を傾けると化学的な快楽物質が出ます。(報酬脳 在る意味、薬物ジャンキー)
だから、先延ばしにするのはとても脳にとっては満足感があるのです。
しかし厄介なことに同時に内側では、様々な病気につながる罪悪感や不安が生まれています。
さらに、習慣的にぐずぐずと先延ばしをする人たちは自尊心が低く、自信が持てず、エネルギーも少なく、憂鬱だと感じる傾向にあると、1980年代から先延ばしの研究をしてきたJoseph Ferrari教授は言っています。
また、先延ばしをやってしまうタイプは自意識が高く、人と比べたり、自己評価が低いなど自分自身にハンディキャップを負わせやすいようです。
経験的に、ハンディキャップがあるとうまくいかないことが多く、本人もうすうすでもそれはわかっています。
そして、そんな自分を律することができないことも解っています。
では、対策はないのでしょうか?
先延ばしを克服する対策として一番即効性があるのは視覚化することです。
1)仕事や作業が終わった時の自分を頭に思い描いてみる。
2)それと終わらなかった時の自分を思い描いてみる。
結果のイメージを明確に思い描くことは、何となくやるべきだと思うよりも、いいモチベーションになります。
3)バレットジャーナルを活用する。
これはいま流行りの手帳をつかったスケジュール管理法で、
年間目次 月間 週間 デイリーと箇条書きにしたものにマークを付けて管理するものです。
ネットで検索するといろいろな方法が紹介されています。
ポイントは、*わかりやすいマークを付ける *手作業をあえて入れている *結果の確認と未来への移行が行える というものです。
4)ほかの人にあえて説明責任が発生するように宣言する。
例えばインスタグラムやSNSで目標や達成した結果などを公表することでモチベーションを刺激するというやり方もあります(笑)
ここで、少し補足しておきたいことがあります。
先に、
「まずは、自分の中にある本音に気づく、自分の気持ちに正直になることが大切です。」
と書きましたが、
「やらない決断に自分自身が本当は納得できていない」
とも書きました。
自分がとっている行動に正面からしっかり向き合わないと“ワクワク キラキラ”を探し続けることだけに執着するワクワク・キラキラジャンキーになってしまいます。
結果、いつまでもこころの中に平和はやってきません。
どんな状況であっても、こころが平和であることが一番幸せの世界に存在できる方法だと思います。